夏のお手入れの要点 6〜8月

1. はじめに

「春のバラは自然が咲かせ、秋のバラは腕で咲かす。」と言われるように、秋花は6月からの手入れの努力の積み重ねになるので、病害虫の防除、肥培管理やシュートの処理等を行って、夏の期間中、葉を落とさずに栽培し、8月末〜9月上旬の秋剪定につなげて、秋にも良花を咲かせましょう。

2. 6月

(1)病害虫の防除

開花の時期は薬剤散布を中止していたこと、また、病害虫の活動が非常に活発な月ですので、梅雨の合間 1週間〜10日間隔に定期散布しましょう。葉ダニも発生して来ますので、殺ダニ剤も混入して下さい。

(2)施肥

ア.
お礼肥(追肥)
花後、水溶性の高度化成肥料(例えば、15:15:15)を10g、成木1本当たり株周囲にバラまき、10リットルを目安に充分潅水します。
鉢植えは、3月、4月に置肥した有機質肥料(油粕と骨粉同量)の月1回を繰り返し、置肥します。
イ.
夏の元肥
冬の元肥の量の2/3を6月末か7月初めに施肥します。

(3)花後の管理とシュートの処理

ア.
咲きがらの切除
花後は速やかに5枚葉1〜2枚をつけて切除し、HT種は2番花を楽しみましょう。
イ.
シュートの処理
シュート(太い新梢で将来の主幹になる)は手遅れにならない内に5枚葉6〜8枚の間でピンチする。(指先で折る)ただし、つるバラはシュートピンチせず、支柱を立て結束し、真っすぐ伸ばします。

3. 7月

(1)病害虫の防除

梅雨が明ければ酷暑の夏、乾燥と高温で、うどん粉病は下火となりますが、害虫では葉ダニが猛威を振るう季節です。殺ダニ剤は抵抗性がつきやすいので、葉ダニが発生したら、もう1種類殺ダニ剤を追加して交互に使用して下さい。
定期薬剤散布は前月同様、1週間〜10日間隔に実施します。

(2)施肥

前月に夏の元肥をしてない場合は、7月初めに冬の元肥の量の約2/3を施肥して下さい。
鉢植えは月1回の置肥を続けます。

(3)花後の管理とシュートの処理

ア.
2番花が咲き終わったら、夏花は咲かせず摘芯し、木の生長を助けます。(HT種の場合)
イ.
シュートのピンチは充実を図るため、2回、多くて3回までとします。

4. 8月

(1)病害虫の防除

前月と同様、定期薬剤散布の続行、特に、葉ダニ対策を続けて下さい。

(2)施肥

6月か7月に元肥を施してあれば、必要ありません。

(3)整枝とシュートの育て方

今月は花を咲かせず摘心し、シュートは2段目をピンチした後、老化した古枝を切除して世代交代を図ります。

(4)秋剪定の開始

ア.
一般にHT種は、昼温20℃ 夜温10℃ぐらいの気温が続く頃にその美しさの真価が発揮されます。関東地方では10月中・下旬頃がそうした気温になるので、逆算してその50日前の8月末〜9月上旬に剪定します。
イ.
剪定方法
一般にHT種は、樹高の2/3程度を残し、外向きの良い芽の上で剪定します。
FL種は軽く樹形を整える程度でよい。但し、鉢植えは剪定しないと背が高くなるので、転倒防止の意味でも剪定します。

(5)つるばらの手入れ

茂って込み合った枝や古枝を整理して、風通しを良くします。
薬剤は丁寧に斑なく散布します。

(6)台風対策

剪定が終わった品種から支柱を立て、しっかりと固定します。
風通しの強い所は、よしずや寒冷沙による風雨対策をして下さい。

さらに詳しく知りたい方は以下のどちらかをご利用下さい。
(1)公益財団法人日本ばら会の会員向け機関誌「ばらだより」をご参照いただくか
(2)日本ばら会開催の各種講座にご参加下さい。
  問合せ先:Tel:03―3702-9413 Fax:03-3702-9414

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