はじめに
春の花を見事に咲かせるのは、冬の手入れ次第と言われています。
12月
12月は、ばら作りにとってはスタートの月と言われ、休眠期に入るこの月は、やるべき
重要な作業が多く、これ等を欠落なくこなすことがポイントです。
- 地植え大苗植付け
- 直径、深さとも50cmの植穴を掘り、堆肥類を入れて植付けます。
- 植穴の中央部分を山型にし、その上に根を広げて倒れないように土をかけ、支柱で固定します。接ぎ口は深植にならないよう、地表上に出るようにして約20ℓ潅水します。
- 植え穴の周縁に発酵済の有機質肥料、700g〜1kg程を浅く土と混ぜます。
- 植付け後はワラなどで根元にマルチングをして下さい。(敷ワラ)
- 元肥
根元から30〜50cm程離した円周上に深さ20〜30cm程のドーナッツ状の穴を掘り、腐葉土や堆肥類5ℓと有機質主体の発酵済肥料600〜800gを入れ、土を被せます。更にその上をワラなどでマルチングをして下さい。 - 病害虫防除
休眠期には細い枝、未熟な枝などを剪定し、葉は残さずに取り除きます。(病害虫の越冬駆除) - 鉢替え(鉢植ばらの土替え)
- 鉢の植替えは、毎年、新土に入れ替えます。但し、10号鉢以上の大鉢は2年に1回でもよいです。
- 用土は、水はけと通気性が良く、しかも保水性を持ったものがベストで、原則として肥料は入れません。
- 植込みが終ったら充分潅水し、骨粉入りの油粕固形肥料1粒5g程度の大きさのものを6号鉢で4個、8号鉢で6個程、置肥します。
- 鉢替え後の潅水は、2月迄は、3〜4日置きに上部の土が乾いたらタップリ与えます。
- つるばらの枝の整理と誘引
- 関東地区では12月中旬から1月上旬頃迄が誘引の適期です。
- 先ず、枯れ込んだ枝、病弱な枝や込み合った枝を切除します。
- 途中からシュートが出ている枝は、その先の古枝を切除します。
- 3年以上経った古い枝で、途中からシュートが出ていない幹枝は、根本から切除します。
- 花を多く付けるため、枝は出来るだけ水平に誘引し、結束します。
- 潅水
- 地植は10日に1回の割合で、成木1本当り10〜15ℓ潅水します。
1月
今月の手入れは、病害虫防除と潅水だけですが、上記12月の手入れが終っていない方
は、12月度の手入れに準じて行って下さい。
- 病害虫防除
従来、高濃度の石灰硫黄合剤を冬期に散布してきましたが、農薬取締法の改正で使用出来なくなったので、春から秋まで使用してきた殺菌剤や殺虫剤の1.5倍程度の濃度で散布します。 - 潅水
- 雨が降らなければ10日に1回、マルチングの上から15〜20ℓ/株、潅水します。 (マルチングをしていない場合は5日に1回)
- 鉢植えは3〜4日置に潅水します。
2月
植付け、植替えは今月までに終了して下さい。下旬からは剪定を開始します。その
他の作業は前月に準じて行って下さい。
- 剪定の時期
春剪定は2月下旬〜3月上旬が適期です。(関東地区) - 剪定の対象
先ず、剪定に入る前に、弱小枝、未熟枝、ふところ枝を整理します。 - 剪定の個所
春剪定の目安はHTの場合、樹高の1/2〜1/3位に切りつめます。
さらに詳しく知りたい方は以下のどちらかをご利用下さい。
(1)公益財団法人日本ばら会の会員向け機関誌月刊「ばらだより」をご参照頂くか、
(2)日本ばら会開催の各種講座にご参加下さい。
問合せ先:Tel:03-3702-9413
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