1. はじめに
春の花を見事にするためには2月から3月にかけて、先ず剪定が不可欠。
引き続き3月から5月を通して、病害虫の防除、追肥、潅水、芽の整理を行って、5月には良い花を咲かせましょう。
2. 2月下旬〜3月
(1)剪定
- ア.
- 時期 春剪定は2/下旬〜3/下旬が適期(関東地区)
- イ.
- 整理 先ず剪定に入る前に、弱小枝、未熟枝、ふところ枝を整理
- ウ.
- 剪定の箇所
- (ア)HT種
-
- 露地植え
春剪定の目安は樹高の1/2〜1/3位に切りつめる。 - 鉢植え
露地植えに比し、根が少ないので主幹枝は1〜2本程度に選択してシュートの1段目で剪定する。
- 露地植え
- (イ)フロリバンダ種(FL)
- 剪定はHT種より弱くしてバランスのとれた樹形にする。
- (ウ)ミニチュア種(Min)
- 1/2位に切りつめる。
- (エ)つるばら系
- 整枝と誘引の適期は12/中旬〜1/上旬だが、未だ終わっていない場合は、芽を落とさぬよう一刻も早く行う。
(2)病害虫の防除
- ア.
- 剪定直後
従来、高濃度の石灰硫黄合剤を冬期に散布してきましたが、農薬取締法の改正で使用出来なくなったので、これに代わるものとして春から秋まで使用してきた殺菌剤、殺虫剤の1.5倍程度の濃度で散布する。 - イ.
- 3月下旬
アブラムシが新梢の先に発生した場合、オルトランCかベニカスプレーで部分散薬する。
(3)潅水
- ア.
- 雨が降らなければ10日に1回、15〜20リットル/株、潅水する。
- イ.
- 鉢植えは3〜4日おきに1回潅水する。
(4)施肥
冬の元肥(有機質主体)が施されていれば追肥の必要なし。
元肥をこれから施す場合は、発酵済の有機質肥料を1株あたり600〜800g施す。
(5)鉢植え
- 表土が乾いたら午前中に水やり
- 有機質肥料(油粕と骨粉同量)の月1回、置肥の開始
(6)芽かき・ブラインド処理
- ア.
- 芽かきは良い芽に養分を集中させるため不可欠。芽の状態を良く観察して生育の悪い芽、1箇所より幾芽も出ている芽、脇芽、方向の悪い芽、出開きの芽等が芽かきの対象となります。
- イ.
- 剪定後の寒さによる枯れこみや先端に芽のないもの(ブラインド)は切り戻す。
3. 4月
(1)芽かき(芽の整理)
前月に引き続き4月中旬までが適期です。
(2)病害虫の防除
- ア.
- アブラムシが出た時は前月と同様、オルトランCかベニカスプレーで部分散布すれば全滅出来ます。
- イ.
- 4月下旬から5月上旬(新葉が固まった頃)
通常の希釈倍数にて1週間おきに開花直前まで、定期的に散布します。
(3)施肥
- ア.
- 露地植え
冬の元肥を施してあれば追肥の必要ありません。但し、追肥主体に栽培している方は、上旬、中旬と月2回、高度化成肥料を成木あたり10g位を根回りにまいて潅水します。 - イ.
- 鉢植え
前月同様、月1回の有機質肥料の置肥に、10日に1回ハイポネックス(6-10-5)などの500倍液を水やり代わりに与えます。
(4)潅水
- 雨の降らない時は5日おきに1回潅水する。
- 鉢植えは表土が乾いたら、鉢底から水が出る位たっぷりかける。(1回/2日の目安)
(5)新苗の植え付け
4月が最適期です。
- なるべく早く植えた方がよい
- 新鮮で病気のない健全な苗を
- 直接業者に出向いて良苗を求める
- ポット植えで芽接苗を
4. 5月
(1)潅水
- 自分の庭の立地条件に応じた水やりをするのがコツです。
- 鉢植えは毎日1回潅水して下さい。
(2)病害虫の防除
4月下旬からの定期散布は、蕾が全部開いて外弁が全部見えるようになってからは出来る限りしないようにするため、5月10日〜12日頃までに集中的(3日おき位で)に連続散布します。
月初の散布は未だ葉が固まらない部分もありますので、薄めの薬液を使用するようにしましょう。
(3)施肥
今月は肥料は与えません。但し、4月に植え付けた新苗には窒素分の多い液肥を潅水代わりに与えます。
また、鉢植えの新苗にも置肥の他に水代わり同様に液肥を与えます。
(4)摘蕾
HT種 副蕾は早めに除去し、主蕾を残し一枝一輪を大輪種らしく豪華に咲かせる。
FL種
一番中心にある大きい主蕾を思い切って早めに除去し、一斉に揃って咲かせる。
(5)花がら摘み
春花の咲き殻は5枚葉を1〜2枚をつけて切除し、2番花を楽しみましょう。
(6)新苗のシュートの処理
HTやフロリバンダ種は、じっと我慢して蕾が見えたら5枚葉の上で摘んでおきます。(ピンチする。) ピンチした箇所からまた芽が伸び出し蕾がつきますが、ピンチを繰り返します。やがて根元から新しいシュートが伸び出し、蕾が見えたらこのシュートの根元から数えて6〜8枚目位の上でピンチします。
さらに詳しく知りたい方は以下のどちらかをご利用下さい。
(1)公益財団法人日本ばら会の会員向け機関誌「ばらだより」をご参照いただくか
(2)日本ばら会開催の各種講座にご参加下さい。
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